一覧|2017.05.27 08:34:32
舌癌について
こんにちは。おおたモール歯科の松下です。今日は舌癌について話していきます。
1、舌癌
まず、口腔内で出来る癌は癌患者の中での割合は全体の2%程度です(かなり少なめです)。その2%口腔内で出来る癌で舌癌はもっとも多く見られる癌です。(だいたい47%)
2、舌癌の特徴
好発年齢は50~60歳代、男女比は2:1で、女性に比べ、男性に多く発生。
ただし、20歳でも希に発症する。地域性もあり、特に西のほう(沖縄)などのひとに多いといわれている。
3、舌癌の症状
発生部位 舌の舌後のほう(舌背部)及び舌の両側部位(舌側縁部)
症状 初期は舌粘膜にびらん、浅い潰瘍で軽度の硬結がみられ、白斑や紅斑を伴うことがあるが疼痛はみられない。発育にともない、潰瘍型のものでは疼痛及び接触痛がみられるようになる。出血もみられるようになる。
4、舌癌の原因
原因はあきらかではないが、不良補綴物やう蝕などの鋭縁歯の慢性的な刺激および喫煙、過度な飲酒も誘引してると考えられています。
5、舌炎および類似疾患
舌癌と勘違いしやすい病気などをいまから紹介していきます。
①アフタ性口内炎
口内炎のなかで最も多いで、口腔内のいたるところに出来ます。直径2~10mmで表面はしろく、周囲はあかくなっています。複数発生することも多く、普通は1~2週間で治癒します。
②化膿性舌炎
外傷などにより舌に感染がおこり周囲から炎症が波及して舌に発赤腫脹がはじまり、舌体部あるいは舌根部に腫瘍が形成されること。
大半は抗菌薬をのんで経過観察
③黒毛舌
舌に黒色色素沈着が見られます。大半は喫煙してる方や、口腔内が不潔の方に見られますが、抗菌薬の長期投与になることもまれにあります。
④地図状舌
舌表面にさまざまな大きさの淡紅色の斑を生じ、それぞれが合体して地図状になる状態です。小児や子供に多いです。痛みがある場合は抗菌薬を投与するが、それ以外は経過観察です。
⑤正中菱形舌炎
中高年以降の男性に多く見られ、舌の中央部、に菱形の赤味を帯びた斑が見られる。しみる症状があれば治療していくが基本経過観察
⑥舌カンジタ症
免疫力の低下や抗菌薬やステロイド剤の使用などにより生じる。免疫力の低下により口腔内の真菌(カビ)が活性化している状態です。舌の表面には白い苔がつきます。体をしっかりやすめたり、お薬を中断し、内服の治療をおこないます。
⑦溝舌
舌に多数の溝が見られるものをいう。だいたいは先天性のもので経過観察だが、後天的(外傷など)は薬を塗布して経過をおうことがある。
このように舌だけでもいろいろな病気があり、日頃から歯科医師などのチェックも重要です。もし、気なったり口内炎なのか分からない場合は歯科に受診してくださいね。